MASA884 Blog

クリエイティブな お生活。

2008年07月

記憶の眠る場所_2

先日、撮影にでかけた際に見つけた砕石場にて。

僕はこういった工業的な場所がとても好きなのです。

こういう場所に来ると、小さい頃好きだった刑事ドラマや、
愛知県にある母方の実家のことを思い出します。

小さい頃、「あぶない刑事」という刑事ドラマが好きで、
テレビで放送されていた時は、よく見ていました。

ドラマの後半、犯人を追い詰めた刑事たちが、犯人と銃撃戦を繰り広げるのですが、
そういったシーンで、よくこういった場所や工場跡などが、
ロケーションとして使われていた記憶があります。

そんなせいか、こういった場所には妙に惹かれてしまうのです。


また、今はもう稼動していませんが、実家のすぐ隣が工場で、
小さい頃に実家へ行くと、いつも隣からは工場の匂いがしていました。

でも、僕にとってそれは嫌な匂いではなく、
実家にやってきたという実感と歓びを感じさせてくれるものでした。


階段に腰掛けると、そんな心に眠った記憶たちが目を覚ましてゆくのです。

記憶の眠る場所_1

黙々と夢中で花を撮っていると、
花の放つ甘い香りに誘われてか、妖精たちが集まってきた。

妖精たちは花の香りをひとつひとつ嗜んでは舞い回る。

そんな妖精たちの姿を眺めると、僕は視線をファインダーへと戻し、
再び黙々と花を撮り始めた。


しばらくして、ふと僕は視線を感じ、周囲を見渡す。

すると、先ほどの妖精たちが、花々の幹に並ぶように腰掛けては、
みんな「じーっ」と僕を一点に見つめていた。

中には頬杖をつきながら、不思議そうな表情で見つめている妖精もいる。

あまりに不思議そうに視線を向けられた僕は、どうしていいものかわからず
照れ隠しに軽く会釈を送る。

すると今度は、その中の一人の妖精がこちらへ飛んで近づいてきた。
そして、そのまま僕の目の前を通り過ぎると、花の方へと向かってゆく。


やがて、花のすぐ目の前で立ち止まった妖精は、
花に向かい、そっと息を吹きかけた。

妖精の吐息_3

すると、妖精たちの吐息に撫でられた花は、より甘い香りを放ち始める。

そんな甘い香りに誘われるように、ファインダーを覗きこむと、
香りのみならず、吐息に色づく花の甘い姿までもが、そこにあった。


何枚か撮り終え、様子を眺めている他の妖精たちに、僕は視線を送ると、
他の妖精たちもこぞって花の方へと飛んでいっては、息をそっと吹きかけ始める。

妖精の吐息_2


あたり一帯は、またたく間に甘い香りで包まれていった。

妖精の吐息_1

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